これまで住んできたところの近くには、
どくだみが生えていたという記憶がまるでない。
なので、どくだみを意識し出したのは、
大人になって、岡山県にある竹久夢二美術館を訪れた際、
売店でどくだみの絵の描かれた一筆箋を見つけた時からだったと思う。
「なんてかわいい花の絵なんだろう」と思い、ほくほくと買って帰った。
とても気に入っていたので、そう簡単には使わず(と言うか使えず)
特に好きな友達や大事な人へ手紙をしたためるときに選んでいた。

今住んでいるマンションの周りの一角には
どくだみが生えていて、この時期、あの白いかわいい花を愛でることができる。
4年前、知り合いが、どくだみの花を焼酎やウォッカに漬けて
化粧水が作れると教えてくれたので、作ってみた。
日のあまり当たらないところがいいとのことだったので、
押入れの空いたスペースに置いていたら、
すっかり忘れてしまい月日が流れに流れまくり、先日思い出した。
とてもきれいな琥珀色のそれはまだ使えるのかな。
アルコール度数の高い焼酎に漬けたから使えなくもないとは思うのだけど、
勇気がなくて、毎日眺めている。

そしてどくだみと言えば、香り。
園芸研究家の柳宗民が著書「雑草ノオト」の中で
「このにおいを好きな人はまずいない」と書いている。
わたしはあの香りはそんなに嫌いじゃない。
どちらかと言えば「好き」寄り。
何年か前に、友達がどくだみの葉っぱの天ぷらを作ってくれて、
食べてみたら香りも味も意外といけた、というのが大きいかもしれない。

地下茎で増える草なので、お庭にはびこって困っている人もいるだろうけど、
わたしは好きな植物のひとつ。
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☆お仕事

6月10日発売の看護学生さん向け雑誌
「ナーシングキャンバス(学研メディカル秀潤社)」7月号
小児看護についてのエッセイページの
イラストを担当しました。
よかったら大型書店でご覧ください。
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バイエル薬品と参天製薬発行の
「眼にいいこと」という冊子の本文にイラストを描きました。
眼科に置いてあるようなので、
見かけたらご覧ください。
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少し前から路地などでも開花している「ガザニア」。
毎年この花を見ると、決まって思い出すことがある。

わたしは19~24歳まで園芸店で働いていた。
その園芸店で働き出して数ヶ月経つか経たないかの大学生の頃、
売り場の電話が鳴り、近くにいたわたしが受話器を取った。

わたし「はい、園芸売り場です」
お客さん「あのねえ、※※ニアの苗はいつ入りますか」
わたし「すみません、もう一度お願いできますか」
お客さん「※※ニア」
わたし「ダザニアですか?」
お客さん「※・※・ニア!」

植物の名前などほとんど知らない状態でその職場に入ったので、
お客さんがおっしゃる言葉が聞き取れずまったくわからなかった。
わかるのは最後の「ニア」だけ。
とにかく植物の名前だけでも聞き取らないと、
その苗がいつ入るのかさえ社員の人に聞けない。

わたし「えーっと、ナザニアでしょうか…?」
お客さん「違う!!※※ニア!!」
わたし「ザ、ザダニア?ですか?」
お客さん「だーかーらー!!!※・※・ニ・ア!!!」

お客さんはもうご立腹で、
受話器からつばが飛んできそうなくらいの大声を出されている。
ご立腹ながらもお客さんは、
一音一音わたしに教えてくれるのだけど、
どうにもこうにも聞き取れない。
頭の中は「?」マークだらけ、
冷や汗も出てきてもうだめだと思ったので、
社員さんに助けてもらうことにした。
お客さんに少し待っていただき
中堅の女性社員さんに顛末を説明すると、
「あー、中村ちん、それ“ガザニア”やわ。
もうちょっとしたら苗入るから」
と教えてくれた。
お客さんに確認すると「ガザニア」で合っていた。
苗の入荷時期を伝えると、数鉢を予約してくださることに。
ほんの数分のやりとりだったけれど、
30分ぐらいに感じて、ドッと疲れた。

電話を切ったあと、忘れないうちに植物図鑑でガザニアを探した。
始めて見るその花は、ド派手というか、
毒々しい色で絶句してしまうほどだった。
こんな色の花がこの世にあるのか、
そして、この花を求める人がいるのかとショックを受けた。
わたしの中でのお花というものは、
いわゆるきれいな色で可憐なイメージだったから。
そしていろんな花が存在していることを思い知った。

この一件があって、ガザニアはわたしにとって忘れられない花となり、
開花時期にはあの日の電話のやりとりを思い出し、
一人ほくそ笑むのであった。
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いろんなイラストレーターの方や
布作家の方の作品を見たり、会って話した昨日。
こういう機会は、触発され、刺激を受けつつ、
「ああ、もっともっとがんばらないと…!」と
身の程を知ることになる。
出来ていることよりも出来ていない部分が
浮き彫りになることが多くて結構辛いのだけど、
すぐに現実逃避をしてしまうわたしにとっては
ありがたい機会でもある。
しかと受け止めて活かしていかねば。

これまでなくて不便していたのに、
「面倒だからまた今度」となおざりにしていた
水彩絵の具の色見本を作った。
(上は固形絵の具、下はチューブタイプ)
こういう基本的なこと、基礎的なことを
淡々とやっていくことが大切なんだろうな。
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